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ファーマウェイ定例勉強会【平成28年10月】

今回の勉強会では、ファイザー株式会社ご担当の方に、うつ病についてご講演いただきました。

日本におけるうつ病の障害有病率は8.0%とされる。うつ病に見られる精神症状は下記の障害である。

1:気分・感情の障害

抑うつ気分、不安、焦燥等の症状が現れ、表情や態度にも現れる。これらの症状は朝が最も悪く夕方に軽快する日内変動がある。


2:意欲・行動の障害

「やる気が出ない」「何をするのも億劫である」「好きなことにも興味が持てない」といった症状を訴える。意欲も行動も低下するので、怠けているように見えることもある。


3:思考の障害


思考の過程や内容が悲観的・自責的になるという異常を生じる。考えがスムーズに進まず、判断力も低下することから、「簡単なことも決められない」等と訴えることがある。重症になると妄想的になったり、自己の存在そのものを否定し自殺念慮、自殺企図に発展したりすることもある。

一方、うつ病に伴う身体症状は、頻度が高いものとして、睡眠障害、易疲労感、倦怠感、食欲減退、性欲減退および慢性疼痛等がある。

うつ病はもともとの遺伝的素因のある人に、ストレスなどの環境要因や妊娠、加齢などの身体的な変化が加わることで発症すると考えられている。
その発症メカニズムはすべてが解明されているわけではないが、機序の一つとしてモノアミン仮説が提唱されている。すなわち、モノアミンの減少が原因であるとする仮説である。神経伝達物質であるセロトニンが減少すると不安や焦燥感、落ち込みといった症状が出やすく、ノルアドレナリンが減少すると気力や行動力が減少するといわれている。

うつ病の診断としては、DSM-Ⅳの大うつ病エピソードの診断基準が用いられる。すなわち、下記の1および2のいずれか1つを含む5つ以上の症状が2週間以上続いた場合にうつ病と診断される。


1:その人自身の言明か、他社の観察によって示される、ほとんど1日中、ほとんど毎日の抑うつ気分
2:ほとんど1日中、ほとんど毎日の、全てまたはほとんど全ての活動における興味喜びの著しい減退
3;食事療法をしていないのに、著しい体重減少、あるいは体重の増加、またはほとんど毎日の、食欲の減退または増加
4:ほとんど毎日の不眠または睡眠過多
5:ほとんど毎日の精神運動性の焦燥または制止
6;ほとんど毎日の易疲労性、または気力の減退
7;ほとんど枚一の無価値観、または過剰であるか不適切な罪責感
8:思考力や集中力の減退、または決断困難がほとんど毎日認められる
9:死についての反復思考、特別な計画はないが反復的な自殺念慮、または自殺企図、または自殺するためのはっきりとした計画

うつ病の治療は薬物療法と十分な休息および精神療法により行われる。大うつ病の治療アルゴリズムによると軽症あるいは中等症のうつ病に対する第一選択薬はSSRIあるいはSNRIである。効果があらわれるまで少なくとも2週間程度を要するため、その間の不安や焦燥に対処するために、ベンゾジアゼピン系抗不安薬を併用することもある。

イフェクサーSRカプセルは2015年12月に発売になった、うつ病、うつ状態に適応を有するSNRIで1日1回の徐放性製剤である。
用法・用量は、下記の通りである。
通常成人にはベンラファキシンとして1日37.5mgを初期用量都市、1週間後より1日75mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日225mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として75mgずつ行うこと。
主な副作用は、悪心、傾眠、口内乾燥、便秘などであり、投与初期に多くみられた。
イフェクサーSRはCYP相互作用が少ないという利点を有する。
イフェクサーSRはうつ病患者の不安症状や意欲の低下を改善すると主に、優れた寛解率を示し、長期にわたり効果が持続することで寛解状態を維持した。
SNRIであるイフェクサーSRは低用量から主にセロトニン系に作用し、高用量ではセロトニン系とともにノルアドレナリン系への作用がより強まることが示されている。

うつ病の基礎からイフェクサーSRの特徴まで幅広く講演いただき、非常に有意義な勉強会となりました。

情報更新日:2016年10月11日
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